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クロメ もう全部は持てなくなった


by kikurage0202

ようやく息が、吸える




「小さい頃、あたしは、何になりたかったんだっけ?

いつも人のあとを必死で追いかけていた、置いてかれたくなかった、気付くといつも迷子になって、いつも泣いていた。
三歳のとき鍵盤に出会った、白と黒のたくさんが楽しかった、四六時中、頭の中で鳴らして、ご飯も食べなかった、テーブルの端っこを夢中で奏でた。
お絵描きをたくさんした、裏の白い新聞折込広告に鉛筆で、めちゃくちゃな絵を描き続けた、大半がお姫様の絵。
猫が好きだった、たくさんの猫がお家にいたから、いつも遊んでもらっていた、たくさんお友達猫も連れてきた、あたしが名付けた猫が死んだとき、あたしも一緒に死にたいと思った。
小学生のとき、自分が他のお友達と上手く遊べて無いことに気付いた、お友達はあたしを、叩いたり、悪いことをいっぱいさせたり、悪いことをいっぱい言ったりした、あたしは笑った、遊んでいるから、笑うのが本当なんだと思った。
中学生のとき、ちゃんと人を好きになった、他の中学のひとで、あたしよりとてもしっかりしていた、お家にはお父さんしか居なくて、普段からいつもひとりで居ると言っていた、あたしは自転車に乗って、たくさん会いに行った、一緒に悪いことしたり、一緒にエックスのライブに行ったり、一緒に泣いたりした、エッチな雰囲気にテレテレしたりお酒を飲んで一緒に眠ったりした、ただその子は、女の子だったんだ。
高校生になって、おばあちゃんがギターを買ってくれた、バクチクが流行っていた頃で、あたしはツインギターの役割分担や存在意味なんかわからずに、バクチクだとかエックスだとかのモノマネをした、ギターはまったく弾けるようにならなかった。
初めてのバイトは一ヶ月でクビになった、中学のころ好きだったいとしの彼女には振られた、次に好きになった彼はあたしをお嫁に欲しいといった、あたしは他に好きな女の子が居た。

小さい頃、あたしは一体何になりたかった?
お姫様?漫画家?ピアニスト?


いまあたしはお嫁さんになって、ベースをじゃんじゃか弾いて、ぎゃーぎゃー叫んで、絵をぐるぐる描いて、自分の感情とか声とかに正直に、自分のためだけの生活を、まるでお姫様みたいに生きてる、何様なのかと思うくらいに、あたしはあたしを優先する。


辞めたときに捨てたピアノは、お母さんがまた買ってくれてた、生まれた家に帰ればあたしが連れてきた猫が、まだあたしを憶えていて膝に乗ってくる、あたしはあたしのことしか考えていないのに、みんながあたしを見ていてくれている、


あたしはあたし一人では
なんにも出来ないって知った



大きくなったら何になりたかった?



あたしたち、ようやく出会ったんだね。」


ようやく息が、吸える_a0289332_055453.jpg

by kikurage0202 | 2012-11-28 16:27 | 瞑想あやちゃん | Comments(0)